帯広とばん馬の歴史について

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帯広とばん馬の歴史について

帯広市は、ばん馬の生産地、ばんえい競馬の開催地として競馬ファンのみならず多くの方に知られています。 今回はばん馬がどのように帯広に根付いていったのか、そしてなぜばんえい競馬が開催されるようになったのか、帯広とばん馬の歴史について解説させて頂きます。

ばん馬のルーツについて

ばん馬は、よく北海道で生まれた品種と思われがちですが、そのルーツは海外にあります。ペルシュロン、ブルトン、ベルジャンと呼ばれるこの3種の大型馬が海外から輸入され、日本に根付いたのがはじまりとされています。前述の3種の混血は「半血」、それ以外の混血については「日本ばん系種」と呼ばれ、ばんえい競馬の為に生み出された日本独自の品種とされています。

よく北海道産ということで道産子と間違われることもありますが、道産子はまた違う品種で、まだ北海道が蝦夷地と呼ばれていた時期に本州から人間と一緒に移動した「南部馬」が北海道の冬に適応していったのが道産子のルーツといわれています。

ばん馬と人間の関係

ばん馬は畑を耕す、ソリに載せた重い荷物を引くなど、その大きな馬体を活かした仕事に従事しておりました。 またばん馬たちは「綱引き」や「お祭りばん馬」など、当時の北海道の生活の中の数少ない娯楽の1つとして親しまれるようになりました。 どれだけの人間を乗せ、荷馬車の車輪を止めずに回せるかという方法で値段も決められていました。

戦争がはじまると、ばん馬は馬体が大きいという理由から軍馬として徴用されることとなりました。その後終戦と共に再び農耕に従事するようになったばん馬は、戦後の復興政策として開催されたばんえい競馬で新たな歴史を刻むこととなります。

ばんえい競馬の始まり

昭和21年に公布された地方競馬法施行規則第九条で「競馬の種類は駈歩、速歩、障害、ばんえいの4種とする」と定められその一つとして昭和22年、初の公式ばんえい競馬が、旭川と岩見沢で開催されました。しかし売り上げが順調にあがらず、同時期に開催していた青森県でのばんえい競馬は3年間で廃止され、以後北海道だけで開催される競馬となりました。

帯広市でのばんえい競馬

売り上げがふるわなかったばんえい競馬は、昭和23年に休止となります。そしてこの年に競馬の主催者が都道府県となりましたが、北海道はなかなかばんえいの再開へ踏み出せませんでした。
そこで再開へ働きかけたのが、帯広市と旭川市でした。自分達のできる範囲で、できることをやろうというスタンスで昭和24年、道営競馬としてのばんえい競馬が旭川、帯広、北見、岩見沢の各競馬場で開催されました。

ばんえい競馬の移り変わり

ばんえい競馬と言えば、2つの大きな障害が魅力の一つですが、始まった当初は、U字型のコースで開催されており、現在のような障害は設置されていませんでした。しかしU字型のコースは、各馬が一斉に内側を目指し走るため、しばしば混乱を招きました。そこでスピードを抑える目的で砂を盛った障害を設けました。これがのちに「砂障害」と呼ばれるものです。しかし、結局U字型のコースは問題が多かったため、昭和38年にまず旭川市、昭和43年には帯広市を含む3つの競馬場すべてで現在の直線のコースに統一されました。昭和49年までは第三障害も設置されていましたが、馬に必要以上に苦しい思いをさせたくはないという理由で、現在は2つの障害の方式に落ち着きました。

ばんえい競馬の危機

ばんえい競馬は昭和48年度売り上げが100億円を突破し、地方競馬の中でもトップクラスの売り上げ規模を誇っておりました。しかしバブル崩壊後、状況は一変します。平成7年に初の単年赤字を計上すると売り上げは右肩下がりに。累積赤字を抱え旭川市、北見市、岩見沢市はばんえい競馬を廃止、撤退を表明しました。帯広のばんえい競馬も、廃止はほぼ決定として報道されていました。しかし、半世紀以上に渡り受け継がれてきたばんえい競馬を失うわけにはいかないと、ばんえい競馬関係者は勿論のこと多くのばんえい競馬ファンが立ち上がり、廃止反対の署名運動を開始しました。そしてその願いは叶い、岩見沢市の撤退発表の2週間後、民間の支援を受け帯広市単独でのばんえい競馬の継続を発表します。関係者、ファンの願いが届いた瞬間です。

ばんえい十勝

平成19年にばんえい十勝として新たな門出を迎えたばんえい競馬は、競馬場の改装、場内カフェの設置、十勝の様々な物産を楽しめる「とかちむら」の開設など、競馬ファンのみならず、多くの方が楽しめる複合施設に生まれ変わりました。また現地観戦も勿論ですが、インターネットの普及により馬券のオンライン投票やレースの無料放映などによって、多くのファンが気軽に楽しめる競馬の1つとして見事返り咲きました。一時は廃止の危機に瀕していた帯広のばんえい競馬ですが、第2障害を上るばん馬のような粘り強さで、生き残り、100年以上もの前にそのルーツを発する馬と人の歴史を今につないでいます。この記事をご覧の皆様も、ばんえい十勝でばん馬の迫力と歴史、そして帯広ならではの食と文化を体験しにぜひ足を運んでみてください。

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この記事を書いたライター

SUOMIAAKI

元厩務員。現在はフリーランスとして馬主業のサポート、引退馬支援、牧場、 馬産 地など馬に関連するスポットを運営されている方々と旅行会社を繋げ、どのように馬産地を盛り上げるかということをテーマに日々活動しております。

Twitter: @suomiaaki
Youtube: スオミアッキ

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