東北新幹線「はやぶさ」

東北新幹線「はやぶさ」乗車レポ ー東京→新青森・E5系ー

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E5系「はやぶさ」とは?

かつてE2系「はやて」が東北新幹線の主役だった時代に、彗星の如く現れたのが ”21世紀の夢の超特急” です。

「はやぶさ」ロングノーズ
15メートルに及ぶロングノーズ。当初は1日3往復のみだった。

2011年3月5日に華々しくデビューしたE5系「はやぶさ」。16年ぶりに国内最速記録を塗り替える ”東北新幹線のフラッグシップ” として期待されていました。ところが、デビューからわずか数日後に東日本大震災が発生します。

車窓から見る「はやぶさ」 「はやぶさ」行先表示
当初は300㎞/に抑えられ、2013年から320㎞/h運転が始まった。

それでも4月末には東北新幹線全線で運転を再開。 ”頑張ろう日本” の文字を掲げて東北地方を駆け抜ける姿は、まさに復興のシンボルでした。現在は車両も大幅に増えて「やまびこ」「なすの」でも活躍しています。

寿司詰メモ

車両外観をよく見ると、ピンクのラインと紫のラインの2種類あることに気づきます。実は、紫の方はH5系(JR北海道) という車両なんです。JR各社はそれぞれ新幹線車両を所有しており、中身は同じでもE5系(JR東日本)と区別されているんですね。他にも、北陸新幹線のE7系(JR東日本)とW7系(JR西日本)や、東海道山陽新幹線のN700系(こちらはJR東海・JR西日本どちらもN700系)などがあります。外観はほとんど同じなので、車内で「♪北陸ロマン」や「♪いい日旅立ち」が流れたら西日本だと覚えましょう。

H5系では、側面に北海道の図柄が描かれている

大宮→仙台→盛岡 ノンストップ 320㎞/h運転

東京駅 6:32

はやぶさとこまちの連結 シンカンセンスゴクカタイアイス
田端駅付近で山手台地の先端を見る

「東京駅」から北へ向かう新幹線ホームは大忙し。東北・北海道・秋田・山形・上越・北陸の6つもの新幹線を、わずか4本の線路で捌きます。これから乗るのは「はやぶさ1号」。新青森駅まで、およそ3時間半の旅の始まりです。

大宮駅 (6:57)

大宮駅
大宮までは、最高速度130㎞/hまでに制限される。

列車は「上野駅」「大宮駅」に停車します。ここを出ると、次は仙台まで止まりません。のぞみの337.2㎞(新横浜ー名古屋間)に次ぐ、321.5㎞の距離をノンストップで駆け抜けます。

奥に市街地の建物が見える鉄道風景 雪が見える鉄道風景 奥に山の見える鉄道風景

宇都宮駅を通過すると、いよいよ国内最速の320㎞/h運転に突入!あっという間に関東を抜け出して、南東北へ入りました。

仙台駅(8:03)

仙台駅
人口109万人の大都市 仙台

東京を発って1時間半。東北最大のターミナル「仙台駅」に到着しました。ホーム上は人々で賑わい、車内では多くの乗客が入れ替わります。仙台を出発すると、今度は盛岡までノンストップです。

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(遊園地好きの寿司詰としては、八木山ベニーランドを推したいところ…。)

畑の鉄道風景 北上盆地を縦断する
仙台の先で車両基地が見られる(左)。北上盆地を縦断する(右)。

こまちと別れ、本州最北へ

盛岡駅 (8:44)

盛岡の街並み
1982年に大宮から盛岡まで、東北新幹線の最初の区間が開業した。

久しぶりに車窓に大きな街が現れました。列車はまもなく「盛岡駅」に到着します。盛岡と言えば、ちょっと前に ”ニューヨーク・タイムズ紙「2023年に行くべき52カ所」” で2番目に選ばれたことで話題になりましたね。ちなみに、2025年は富山と大阪が選ばれています。

盛岡の観光情報はこちら

■盛岡おすすめ観光スポット10選
■第4弾!北東北のハブ! 盛岡まちなか散策
(盛岡のバスセンターは、寿司詰のおすすめスポットです。)

切り離し作業の為6分ほど停車。

ここまで一緒にタッグを組んで走ってきた秋田新幹線「こまち」とはここでお別れ。メカニックな新幹線×新幹線の連結・切り離しの様子は、まるでロボットアニメの合体シーンのようです。

寿司詰メモ

違う列車が一緒になって走る併結運転は、遅延が大きくなったり、乗車定員が減るデメリットもあります。しかし東北新幹線では「はやぶさ×こまち」「やまびこ×つばさ」と4つもの列車で併結運転が行われています。冒頭で話したように、東京ー大宮間では6もの新幹線が1か所にまとまっており、これ以上東京駅を発着する新幹線を増やせないからなんですね。少ない線路で多くの列車を走らせる。効率的な運転を目指した結果、あのカッコイイシーンが誕生したのです。

八戸駅 (9:22)

八戸駅歓迎の看板ようこそ新青森駅へ
八戸駅周辺の車窓からの風景八戸駅周辺の車窓からの風景
2002年に八戸まで延伸し、2010年に新青森まで全線開業した。

ここまでノンストップで走ってきたはやぶさも、盛岡から先はほとんどの駅に止まります。東北新幹線も末端区間に入り、旅もいよいよラストスパート!列車は「八戸駅」に着きました。近くには一戸駅、二戸駅、三戸駅があり、兄弟のような駅名が特徴的です。「七戸十和田駅」を出ると、次は新青森駅です。

寿司詰メモ

盛岡駅までは320㎞/hで走ってきましたが、この先は260㎞/hにスピードダウンします。新しく造られた区間なのに、なぜ遅いのか。その答えは「整備新幹線」だからです。整備新幹線というのは、国と地方がお金を出して新幹線の線路を造り(※ただし建設費を抑える為、最高速度は260㎞/hとする)、完成した線路をJRに貸し出すというもの。もし最高速度を引き上げるならば、JRが費用負担して追加工事をする必要があります。ちなみに他の整備新幹線である、北陸新幹線、九州新幹線、北海道新幹線、西九州新幹線でも最高速度が260㎞/hに抑えられています。一方で、東北新幹線では追加工事が進められており、将来は新青森まで320㎞/h運転が可能になる予定です。

北陸新幹線
最初の整備新幹線として開業した北陸新幹線(当初は長野新幹線と呼ばれた)

新青森駅と青森駅

新青森駅 (9:51)

新青森駅
車窓から見た新青森駅 青森のJR東日本701系電車
青森市はコンパクトシティで、青森駅徒歩圏内でも観光できます。

東北新幹線の終着「新青森駅」に到着しました!ここまで乗ってきたはやぶさ1号が新函館北斗駅へ向かうのを見届けて、これにて旅は終了です。けれどもせっかくなので、青森駅まで行っちゃいましょう。

青森の観光情報はこちら

■青森・弘前周辺おすすめ観光スポット15選
■第2弾!青森観光まちなか編-旅行会社社員はこう歩く-
(青森市はコンパクトシティで、青森駅徒歩圏内でも観光できます。)

旅の終点、青森駅

かつての青函連絡船「八甲田丸」
かつての青函連絡船「八甲田丸」は、現在も青森駅隣に保存されている。

「青森駅」は、かつての北海道への玄関口。上野発の夜行列車を降りた人々は、雪の青森駅から連絡船に乗り換えて、津軽海峡を渡ったんですね♪ それが今では、6時半に東京駅を出れば11時前には新函館北斗に着いてしまいます!便利な時代になったものです。

さいごに


現代の東北新幹線の高速輸送を支えているE5系「はやぶさ」。運行初日、当時まだ中学生だった寿司詰は、大宮駅まで見に行ったことを覚えています。登場から10年以上経ち、今では当たり前のように見られる存在となりましたが、その魅力は決して色褪せてないでしょう。

※この旅は一部フィクションです。

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プロフィール

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寿司詰太郎(すしづめたろう)
鉄道大好き営業部社員。旅行会社に入社して鉄道に関わる業務に携わっています。休みの日は愛読書JR時刻表で鉄旅の研究をしています。個性的な旅のスタイルで様々な地域の魅力を皆さまにお届けできるよう日々邁進してまいります。

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